ビジネスの基本はお客様をよく知る 顧客属性

顧客属性とは?

顧客属性は顧客が持っている情報を年齢・性別・地域・職業などをもとに分類したものです。
顧客属性は大きく2つに分類されます。
それを、静的属性・動的属性、と呼びます。

静的属性
性別・生年月日・出身地など

動的属性
職業・居住地・趣味など

このように、静的属性は不変的なもの・動的属性は変動し得るものとして理解してください。

顧客属性を活用するには、まず顧客属性の収集が必要です。これは、会員登録やアンケートを使ったり、スマホなどでも会員登録などで収集が可能です。顧客属性分析で大事なのは、分析の精度です。そのため、さまざまな分析方法があります。

顧客属性の収集目的によっては、個人よりもさらに大きい単位の世帯収入や家族構成などの情報を収集することもあります。企業の業種や業態によってマーケティングで重要となる顧客属性は異なるため、必要となる顧客属性を明らかにし、顧客情報を収集することが重要です。

顧客属性を把握する意義

顧客属性を把握する意義は「商品やサービスがどのような顧客にヒットしており、どのような顧客にヒットしていないのか」についてより正確に分析し、有効なマーケティング施策の実施を可能にすることにあります。

たとえば商品が1万個売れた時に、商品が1万個売れたという情報のみがある場合と、1万個のうち7,000個は東京に住む20代の会社員女性に売れたという情報がある場合では、後者の方が分析用データとして価値が高いです。また、有効なマーケティング施策の実施により役立ちます。

顧客属性を利用した事例

顧客属性を利用した施策例を紹介します。

健康系サプリ会社の事例

ある健康系サプリ販売会社は、はじめ20代男性をターゲットに商品設計を行いました。しかし顧客情報を収集し顧客属性を分析した結果、サンプル商品を購入しているメイン層は30代後半男性だということが判明。

そこで新社会人向けから30代後半で仕事に慣れ、それに伴う悩みを解消する商品と位置付けを変更し、サンプルから定期購入への販促メールの内容も変更したところ、サンプル請求後の定期購入率が135%に改善されました。

児童向けアパレル会社の事例

子供服の主な顧客は親やプレゼント用に買う大人です。そこでまずは顧客属性を分析し、購入する親の属性から開封や注文が多くなりやすい時間を特定し、メールを配信しました。

また顧客属性のみを収集しても、商品を実際に使用する子供の属性を収集できないため、会員登録時に子供の性別や生年月日などの情報を入力する欄を追加し、子供の情報も収集。年齢や性別に応じてメールの内容を変更した結果、コンバーションの改善に成功しました。

ECを開始した店舗運営事業者の事例

ある店舗運営事業はECサイトでの商品販売を開始しましたが、売上目標を達成できませんでした。そこで店舗とECサイトの顧客属性を比較したところ、顧客属性が大きく異なることが判明。店舗の顧客とECサイトの顧客を分けて分析を行うことで、同じ商品でも属性が異なる顧客に対して異なるフォローが可能になりました。

顧客属性を活用する流れ

顧客属性を活用する流れを簡単に解説します。

顧客情報の収集

顧客属性は重要性が高く、顧客属性を理解し、顧客属性に合わせたマーケティング施策を行うだけで売上が改善する事例もあります。顧客属性を活用するためには、顧客情報を収集する必要があります。

顧客情報の収集方法はこの後解説しますが、アプリやクーポン、アンケート、ECサイトへの会員登録など様々な方法で顧客情報を収集可能です。

顧客情報の分析

集めた顧客情報をもとに分析を行います。顧客情報の分析方法については次の記事で詳しく解説しますが、分析を行うことで何を知りたいのかを明らかにしたうえで様々な情報を分析しましょう。顧客属性分析で大事なのは、分析の精度です。
そのため、さまざまな分析方法があります。分析の精度により、どれだけ有効なマーケティング施策を取れるかが決まります。

分析に基づいて施策を実施

顧客情報の分析が完了したら、その分析に基づいて施策を実行します。しかし顧客情報の丁寧な分析を行っても、一度で効果的な施策を行えるとは限りません。施策の効果を測定し、反省や状況の確認を行い、必要に応じて施策の修正を行い、次回の施策に生かしましょう。施策の結果に応じて、改善点や状況の確認を行うことが何よりも重要です。
PDCAサイクルに則り行うと効果的です。

以上を踏まえ、顧客属性を利用し会社を更に一歩前へ進めていきましょう。