耳の病気
・耳だれ
耳垢を放っておくことで炎症を起こしてしまい耳だれとなります。
・耳ダニ症
耳にダニが寄生してしまう病気です。耳掃除をすると、中から褐色のつぶつぶしたようなものが出てくるのが特徴です。
・肥厚性外耳炎
アレルギーや慢性皮膚炎により耳の皮膚が厚くなってしまい、耳の穴が塞がってしまう病気です。重度の場合は手術をする必要があります。
・耳血腫
耳に血腫ができる病気です。放置しておいても治ることがありますが、再発度が高く、繰り返し再発していると耳の形が変わってしまう危険性があるため早期の治療が必要です。
口の病気
・歯石
歯石とはいえ軽く見てはいけません。歯石は歯肉炎や歯槽膿漏の原因となってしまいます。定期的に病院で取り除いてもらいましょう。また、予防としてある程度固いものを食べさせるといいでしょう。
・舌炎・口内炎
口内の炎症は様々な原因が考えられますが、わんちゃんは痛みで食事を取れないというケースも多くみられます。その状態だと健康状態に支障をきたすため早めに病院へ連れて行ってあげましょう。
鼻の病気
・鼻炎
鼻水がいつも出ていると思ったら注意です。基本的に抗生物質で対応しますが、ウイルス感染による鼻炎は定期的なワクチン接種で予防が可能です。
・蓄膿症
細菌感染などによって引き起こされる病気です。早めに病院へ連れて行き対処しましょう。
・鼻血
まず覚えておくべきことは、わんちゃんは鼻血を出すことは基本ありません。脳や呼吸器などに重い病気を患っている可能性があります。早急に病院へ連れて行きましょう。また、人間同様に鼻にティッシュを詰めるなどということは決してしてはいけません。
・犬ジステンパー
この病気は犬のハシカとも言われており、生後1歳未満の子犬に多くみられる病気です。鼻水を流しながら咳などをしていたら早急に病院へ行きましょう。ワクチン接種をきちんとしてればかかることは滅多にありません。
呼吸器の病気
・扁桃腺炎
細菌繁殖により扁桃腺が腫れてしまい、食事も喉を通らなくなるほどわんちゃんからすると痛くて嫌な病気です。基本的には抗生物質で治りますが、ケースによっては手術が必要な場合もあります。
・気管支炎
ウイルス感染により気管支炎症を起こす病気です。何か喉に詰まったような咳をしていたらこの病気を疑いましょう。抗生物質治療のほか、超音波治療法などが用いられます。
・気管虚脱
太っている、無駄吠えが多い、思いっきり吠える、先天的に期間軟骨が未発達な犬種、これらにあてはまっていれば注意すべき病気です。肥満体型にさせないことが最も重要な予防策と言えます。
・肺炎
気管支炎などが悪化すると肺炎になるケースがあります。わんちゃんからすれば非常に辛い状態です。症状としては激しい咳、高熱などが挙げられます。早急に病院に連れて行き治療しましょう。
循環器の病気
・僧帽弁閉鎖不全
一般的に老犬に多くみられる病気です。しかし、小型犬では5~6歳程で発症することもあります。症状としては、初期は軽度の咳、進行すると咳がひどくなってきて呼吸困難や貧血を引き起こします。完治は難しいですが、薬や療法食などを用いて進行を緩やかにするということができます。
・心不全
症状としては、咳や発作、呼吸困難などがあり、完治という考え方は難しいでしょう。投薬などをし、安静に暮らせる配慮をすることが大事です。
・心房中隔欠損症
わかりやすい症状がなく、大きな症状もないので特に治療を必要としないケースも多いのですが、フィラリアに感染してしまうと大病になりかねます。フィラリア予防さえしておけば特に問題なく過ごすことができるので予防をしっかり行っておきましょう。
・心室中隔欠損症
軽度な症状の場合食事などの生活習慣に気を付けるだけで大丈夫ですが、重度の場合呼吸困難などを起こし危ない状態になってしまうので、投薬治療が必要となります。
・肺動脈狭窄症
まず覚えておくべきことは、呼吸器系は異常を感じたらすぐに病院へ連れて行きましょう。症状が軽い場合は投薬だけで問題ないケースもありますが、重度になると呼吸困難を引き起こすため注意が必要です。
腫瘍の病気
・悪性リンパ腫(リンパ肉腫)
首・股・膝裏などのリンパ節が腫れる病気です。日々のブラッシングなどの際に意識して見るようにしてみてください。腫れを見つけたら、悪性腫瘍とは限りませんが早急に病院に連れて行ってください。
・肥満細胞腫
異物やアレルギー物質が体内に入ってきたときにアレルギー反応を起こす肥満細胞腫。この肥満細胞腫が腫瘍化してしまうのが肥満細胞腫です。必ずしも悪性というわけではありませんが、見た目で良性・悪性の判断はできないのですぐに病院で検査してもらいましょう。
・乳腺腫瘍
乳房の中にしこりができるメスのわんちゃんに多くみられる病気です。しこりを放置していると徐々に肥大し出血することがあります。良性・悪性は見た目で判断できないため病院で検査をしましょう。子犬時代に避妊手術をしておけば予防ができるということも覚えておきましょう。
・脂肪種
老犬の皮膚によくできる脂肪のかたまりです。悪性腫瘍ではないためあまり気にせずに過ごして大丈夫です。ただし、あまり大きくなるようだと歩行の邪魔になるなどの弊害も出てくるため、脂肪腫を見つけたら大きくなってきていないかよく観察しておきましょう。
内分泌の病気
・糖尿病
中~高齢で比較的多く発症する危険な病気です。主な症状としては多飲・多尿です。末期になると食欲不振や衰弱を引き起こし大変危険な状態になります。初期であれば食事制限などで症状を抑えることは難しくないので、早期発見が要となります。
・甲状腺機能亢進症
わんちゃんにはあまり見られない病気です。特徴としては首にぽっこりとした腫れが見られ、食事はよく食べるのに痩せていくなどの症状が見られます。早期発見が要となります。
眼の病気
・結膜炎
細菌感染や異物での刺激により眼が炎症を起こしてしまう病気です。目やにや涙が目立つようであればこの病気を疑っていいでしょう。早めに病院へ行き目薬や目軟膏などで治療をしましょう。
・角膜炎
刺激物が眼に入った・逆さまつ毛などの理由で角膜が炎症を引き起こすことでなる病気です。目がしょぼしょぼしている・目を擦るような仕草をしているなどが見られたら早めに病院に連れて行きましょう。
・白内障
人間同様老犬によく見られる病気です。眼が白濁としていると感じたら白内障を疑います。しかし、糖尿病などの原因で白濁としている場合もあるのですぐに病院へ連れて行きましょう。症状が悪化してしまうと歩行が困難になるケースも珍しくありません。
・進行性網膜萎縮症
遺伝性の病気で、末期には失明してしまう病気です。この病気の治療法は確立しておらず、残念ながら完治という考え方はできません。しかし、いきなり目が見えなくなるというわけではなく、徐々に進行していくので、この病気に対する理解を深め、わんちゃんに寄り添って過ごしましょう。
・緑内障
眼圧が高くなり視覚障害を引き起こす病気です。重度な充血と激しい痛みを伴います。早急に治療が必要です。早期発見が要となります。見落としてしまい発見が遅れると手遅れになり眼球摘出手術になってしまうこともあるため、定期検診を受診し必ず確認しましょう。
皮膚の病気
・毛包虫症
目や口の周りが脱毛し赤みが出てきます。予防法としては、定期的なシャンプーで清潔な体を保つことが大事です。
・かいせん症
ダニの寄生により引き起こる皮膚病です。特徴としては、手脚や耳などに赤いデキモノのようなものが見られます。この病気は人にも移る可能性があるので早めに病院に連れて行ってください。
・皮膚真菌症
毛穴に真菌というカビが発生することで発症する病気です。人に感染することもあるので早めに病院へ行きましょう。ブラッシングの際にフケの増えを感じたり毛質の変化を感じたら注意です。
・接触性皮膚炎
アレルギー反応や刺激物への接触でかぶれてしまう病気です。かぶれていた場合はシャンプーなどで洗い流すということはせず、病院へ連れて行き薬を処方してもらいましょう。
・肢端舐性皮膚炎
一部分をよく舐めている・噛んだりしている、と感じたら注意が必要です。その刺激により引き起こるのがこの病気です。ストレスが原因なことも多いため、生活習慣を見直しましょう。悪化すると手術が必要になるケースもあるので、早めに病院へ連れて行き軟膏を処方してもらいましょう。
・急性湿疹
皮膚が敏感なわんちゃんによく見られる病気です。脱毛・あかみ・湿疹などの症状があります。特に夏場に多いため、皮膚が敏感なわんちゃんの場合気をつけて見てあげましょう。
・アレルギー性皮膚炎
食べ物・ノミ刺され・季節などにより引き起こる皮膚炎です。最も多い原因はノミ刺されによるものなのでわんちゃんの寝床などの清掃をきちんと行いましょう。症状がひどい場合はすぐに病院へ行き、抗生物質や抗アレルギー剤の注射で症状を緩和させてあげましょう。
消化器の病気
・胃腸炎
細菌感染やウイルス感染により引き起こる病気です。嘔吐や下痢が続く場合この病気の可能性があるのですぐに病院へ連れて行きましょう。放置すると腹膜炎を併発する恐れがあるので早急な処置が必要です。
・腸閉塞
腸に物が詰まり、悪化すると腹膜炎を引き起こす恐れがある病気です。すぐに病院へ連れて行き、物を吐き出させましょう。
・腸性毒血症
いわゆる食中毒です。下痢をした際に血が混ざっているなどの症状が確認できたらまずこの病気を疑います。抗生物質投与などで基本的には治りますが、対処が遅れると死に至る恐ろしい病気でもあるため早急に病院へ連れて行きましょう。外で変な物を食べさせないようにするなど、口に入れる物を気をつけてあげることで予防できます。
・食道炎
食道が傷つくことで発症する病気です。食欲不振・震え・横になりたがらないなどの症状が挙げられます。病院に連れていく際は、その前に食事などは与えず、水分補給だけにしましょう。
・膵炎
肥満体型に多い病気です。嘔吐・下痢・過度なよだれなどの症状が挙げられます。早めに病院へ連れて行き、基本的には絶食や療法食で膵臓を休ませる治療となります。食生活を意識することで予防となりますので、普段から意識した食事を取らせましょう。
・胃捻転
胃のなかに発酵したガスが溜まることで引き起こる病気です。治療としては開腹手術が基本となります。予防として、消化の良い食事や食後の激しい運動を控えるなど、胃に気を遣った生活が大事です。
生殖器の病気
・前立腺炎
オス特有の病気です。細菌感染により炎症を引き起こす老犬に多く見られる病気です。膀胱炎を併発する恐れもあります。血尿や尿の色に異変を感じたらすぐに病院へ連れて行き抗生物質を投与してもらいましょう。
・前立腺肥大
オス特有の病気です。去勢していない老犬に多く、尿毒症にまで発展する恐れのある大変危険な病気です。尿を出さない・嘔吐や下痢をするなどの症状が見られたらすぐに病院へ連れて行きましょう。
・会陰ヘルニア
オス特有の病気です。去勢していない老犬に多く、肛門周囲にある筋肉の隙間ができてしまい、その隙間から臓器が押し出され飛び出してきてしまう病気です。
・亀頭包皮炎
オス特有の病気です。細菌感染により、ペニスの先端に黄ばんだ膿が見られます。特に大事に関わる病気ではありませんが、早めに病院へ連れて行き抗生物質を投与してもらいましょう。
・精巣腫瘍
オス特有の病気です。睾丸に腫瘍ができてしまう病気ですが比較的件数の多い病気です。病気になったら去勢をして対処しますが、最初から去勢をしていれば予防ができることも覚えておきましょう。
・子宮蓄膿症
メス特有の病気です。最近水をよく飲む・お腹が膨れている・尿量が増えた、などの症状が見られたら早急に病院へ連れて行きましょう。早期発見ができないと命に関わる重大な病気になります。不妊手術をしておくことで完全に予防できる病気です。
・膣炎
メス特有の病気です。おりものが多い・尿の回数が増えた、などの症状が見られたら病院へ連れて行きましょう。命に関わるような病気とは言えませんが、再発率の高い病気なので早めに病院へ連れて行き抗生物質を投与してもらいましょう。
・偽妊娠
いわゆる想像妊娠です。妊娠時同様お腹の膨らみや乳腺の発達が見られます。不妊手術で予防できます。
・乳腺炎
メス特有の病気です。乳腺にしこりや腫れが見られます。この際、子犬への授乳は控えさせましょう。早めに動物病院へ連れて行きましょう。
脳・神経系の病気
・てんかん
症状は人間同様、意識が朦朧として痙攣するような症状が最も多く見られます。脳腫瘍などでてんかんを引き起こしている場合はその病気の治療を行います。原因不明のてんかんの場合、抗てんかん薬での治療がありますが、この治療は生涯続けていかなければならないため、抗てんかん薬での治療はよく考えて行いましょう。
・脳腫瘍
老犬に多く見られる病気です。首が傾いている・同じ場所をくるくると回っているなどの症状が見られます。大事になる前に病院へ連れて行きましょう。
・脊椎損傷
その名の通り脊髄が損傷する病気です。症状としては、運動障害や排尿障害が起こり、手術などで治療します。治療をしない場合、何をするにも介護が必要な介護犬になる可能性が高いです。手術・リハビリなど回復には時間がかかりますが、しっかりと寄り添ってあげてください。
骨・筋肉・関節の病気
・椎間板ヘルニア
足の短い犬種に多い病気です。腰が抜けたような動きをしていたらこの病気を疑う必要があります。重症の場合歩けなくなったり排泄ができなることもあるので、症状が確認できたら一刻も早く病院へ連れて行きましょう。
・股関節形成不全
大型犬に多い病気です。足を引きずっていたり、階段を登れないようであればこの病気を疑う必要があります。遺伝的な要因が大きいので予防は難しいです。軽症の場合は投薬治療、重症の場合は手術により痛みを取り除いてあげます。
・レッグ・ペルテス病
小型犬に多く見られる原因不明の骨の病気です。足を少し動かしただけで痛がって全く動かなくなってしまったという症状が見られたら病院へ急ぎましょう。痛みは投薬で治るケースもありますが、根本的な治療には手術が必要です。
・膝蓋骨脱臼
小型犬に多く見られる病気で、膝の皿が何度も脱臼を繰り返してしまう病気です。この病気は、生後1年以内に見つけて矯正手術をすることができれば何の支障も出ません。打撲などが引き金になるケースもあるので、小型犬の打撲には要注意です。